Botchan - Chapter 2

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ぶうと云ってって making a sound (of)汽船汽船きせん steamboatがとまると、はしけ lighter; baggage boatきし shore離れてはなれて depart from; separate from漕ぎぎ rowing寄せて来たせてた drew near船頭船頭せんどう boatman; ferryman真裸真裸まっぱだか stark nakedあか redふんどしふんどし loinclothをしめている。野蛮な野蛮やばんな barbaricところ placeだ。もっともこの熱さあつさ heatでは着物着物きもの clothingきられまいきられまい probably can't stand to wear sun強いつよい strong; bright; intenseのでみず waterがやに光るひかる glimmer; glisten見つめてつめて gaze (at)いても eyesくらむくらむ be dazzled; be blinded事務員事務員じむいん officer (ship; boat)聞いていて inquireみるとおれはここへ降りるりる get off (the boat)のだそうだ。見るところではるところでは from the looks of it大森大森おおもり Ōmoriぐらいな漁村漁村ぎょそん fishing villageだ。ひと a person馬鹿馬鹿ばか foolにしていらあ、こんな所に我慢我慢がまん tolerance; endurance出来る出来できる can do (something)ものかと思ったおもった thought仕方がない仕方しかたがない (I) had no choice威勢よく威勢いせいよく with great energy一番に一番いちばんに first飛び込んだんだ jumped into (the lighter)続づいてづいて following (me)五六人五六人ごろくにん five or six others乗ったろうったろう boarded外にほかに in addition大きなおおきな largeはこ boxes四つよっつ four (of something)ばかり積み込んでんで loaded赤ふんあかふん the guy in the red loinclothは岸へ漕ぎ戻して来たもどしてた returnedおか land; the shore着いたいた arrivedとき whenも、いの一番にいの一番いちばんに first of all飛び上がってがって jumped outいきなりいきなり immediatelyいそ beach立っていたっていた was standing鼻たれはなたれ sniveling小僧小僧こぞう errand boy; urchinつらまえてつらまえて nabbed; collared中学校中学校ちゅうがっこう middle schoolはどこだと聞いた。小僧はぼんやりしてぼんやりして thoughtlessly; listlessly知らんらん don't knowがの、と云ったった said (replied)気の利かぬかぬ dull-witted田舎もの田舎いなかもの bumpkinだ。猫の額ほどなねこひたいほどな postage-stamp size (lit: the size of a cat's forehead)町内町内ちょうない town癖にくせに in spite of (being)、中学校のありかも知らぬやつ guy; chap; characterがあるものか。ところへみょう odd; unusual筒っぽうつつっぽう tight-sleeved (kimono)着たた wearingおとこ manがきて、こっちへ来いい comeと云うから、尾いて行ったらいてったら followed (conditional form)港屋港屋みなとや Minatoya (name)とか云う宿屋宿屋やどや inn; lodging house連れて来たれてた brought (me to)。やなおんな womenこえ voices揃えてそろえて in unison (voices)お上がりなさいがりなさい welcome; come inと云うので、上がるのがいやになった。門口門口かどぐち entrance; gatewayへ立ったなり中学校を教えろおしえろ tell me (where it is)と云ったら、中学校はこれから汽車汽車きしゃ (steam) train二里二里にり two ri (7.85 km; 4.88 miles)ばかり行かなくっちゃいけないかなくっちゃいけない need to goと聞いて、なお上がるのがいやになった。おれは、筒っぽうを着た男から、おれの革鞄革鞄かばん bags二つふたつ two (items)引きたくってきたくって grabbed; snatchedのそのそのそのそ slowly; quietlyあるき出したあるきした set out walking。宿屋のものは変な顔へんかお strange facial expressionをしていた。

停車場停車場ていしゃば stationはすぐ知れたれた found; discovered切符切符きっぷ ticket訳なくわけなく without difficulty買ったった purchased乗り込んでんで get onboardみるとマッチ箱マッチばこ match boxのような汽車汽車きしゃ (steam) trainだ。ごろごろと五分五分ごふん five minutesばかり動いたうごいた moved思ったらおもったら when it seemed (that)、もう降りなければならないりなければならない time to get off (the train)道理で道理どうりで no wonder切符が安いやすい inexpensiveと思った。たった三銭三銭さんせん three sen (0.03 yen)である。それからくるま car (rickshaw)傭ってやとって hired中学校中学校ちゅうがっこう middle school来たらたら when (I) arrived、もう放課後放課後ほうかご after school hours誰もだれも no one (with negative verb)居ないない not be there宿直宿直しゅくちょく person on night dutyはちょっと用達用達ようたし running errands出たた went out小使小使こづかい janitor教えたおしえた told me随分随分ずいぶん very much気楽気楽きらく carefree; easygoingな宿直がいるものだ。校長校長こうちょう principalでも尋ねようたずねよう visit; call onかと思ったが、草臥れた草臥くたびれた tired; worn outから、車に乗ってって boarded (rickshaw)宿屋宿屋やどや inn連れて行けれてけ take (someone somewhere)車夫車夫しゃふ rickshaw man云い付けたけた ordered; instructed。車夫は威勢よく威勢いせいよく with great energy山城屋山城屋やましろや Yamashiroya (name)と云ううちへ横付けにした横付よこづけにした drew up to。山城屋とは質屋質屋しちや pawn shop勘太郎勘太郎かんたろう Kantarō (name of neighbor boy with whom Botchan fought during his school days)屋号屋号やごう name (of a store)同じおなじ the sameだからちょっと面白く面白おもしろく interesting思った。

何だかなんだか for some reason二階二階にかい second floor楷子段楷子段はしごだん stairway; stairsした below暗いくらい dark部屋部屋へや room案内した案内あんないした lead (a person) to熱くってあつくって hot居られやしない。こんな部屋はいやだと云ったらあいにくみんな塞がってふさがって occupiedおりますからと云いながら革鞄革鞄かばん bags抛り出したほうした tossed downまま出て行ったった left; went out仕方がない仕方しかたがない there was nothing to be done (about it)から部屋のなか insideへはいって汗をかいてあせをかいて sweating我慢していた我慢がまんしていた endured; put up with。やがて湯に入れはいれ the bath is readyと云うから、ざぶりとざぶりと with a splash飛び込んでんで jumped into、すぐ上がったがった got out (of the bath)帰りがけかえりがけ on the way back覗いてのぞいて look inみると涼しそうなすずしそうな cool (temperature) looking部屋がたくさん空いているいている be open; be vacant失敬失敬しっけい disrespectful; impertinentやつ folks; peopleだ。うそ lie; fibをつきゃあがった。それから下女下女げじょ the maidぜん dining tray持って来たってた brought。部屋は熱つかったが、めし food; meal下宿下宿げしゅく (Botchan's former) lodgingsのよりも大分大分だいぶ considerably旨かったうまかった was delicious給仕給仕きゅうじ table serviceをしながら下女がどちらからおいでになりましたと聞くから、東京東京とうきょう Tōkyōから来たと答えたこたえた answered。すると東京はよいところ placeでございましょうと云ったから当り前あたまえ of course; (that) goes without sayingだと答えてやった。膳を下げたげた took away (lit: lowered)下女が台所台所だいどころ kitchenへいった時分時分じぶん when ...大きなおおきな loud (big)笑い声わらごえ laughter聞えたきこえた could be heardくだらないくだらない foolish; inaneから、すぐ寝たた went to bedが、なかなか寝られない。熱いばかりではない。騒々しい騒々そうぞうしい noisy; loud。下宿の五倍五倍ごばい five times (magnitude)ぐらいやかましい。うとうとしたらうとうとしたら (when I) dozed offきよ Kiyo (name of Botchan's former maidservant)ゆめ dream見たた saw。清が越後越後えちご Echigo (old province in north-central Japan - now part of Niigata-ken)笹飴笹飴ささあめ sweet rice jelly wrapped in a bamboo leaf笹ぐるみささぐるみ bamboo leaf and allむしゃむしゃむしゃむしゃ (munching sound)食っているっている was eating。笹はどく poisonousだからよしたらよかろうよしたらよかろう (you) should stopと云うと、いえこの笹がお薬くすり medicineでございますと云って旨そうに食っている。おれがあきれ返ってあきれかえって greatly amazed大きなくち mouth開いてひらいて openedハハハハと笑ったら眼が覚めためた woke up。下女が雨戸雨戸あまど shutters明けてけて openingいる。相変らず相変あいかわらず as beforeそら the skyそこ bottom突き抜ぬけたけた pierced throughような天気天気てんき weatherだ。

道中道中どうちゅう a journey; travelをしたら茶代茶代ちゃだい a tip (lit: tea money)をやるものだと聞いていたいていた had heard。茶代をやらないと粗末粗末そまつ coarseness; crudeness取り扱われるあつかわれる be treatedと聞いていた。こんな、狭くてせまくて cramped暗いくらい dark部屋部屋へや room押し込めるめる coop up (in)のも茶代をやらないせいだろう。見すぼらしいすぼらしい shabby; poor-looking服装服装なり appearance; dressをして、ズックの革鞄ズックの革鞄かばん jute bag毛繻子毛繻子けじゅす sateen蝙蝠傘蝙蝠傘こうもり umbrella (lit: "bat" umbrella - from bat wing-like black color and edge shape)提げてるげてる carry; take alongからだろう。田舎者田舎者いなかもの country folksの癖にくせに as one would expect ofひと a person見括った見括みくびった disparaged; belittledな。一番一番いちばん first; foremost茶代をやって驚かしておどろかして surprise (someone)やろう。おれはこれでも学資学資がくし education fundsのあまりを三十円三十円さんじゅうえん thirty yenほどふところ pocket入れてれて put into東京東京とうきょう Tōkyō出て来たた departed fromのだ。汽車汽車きしゃ (steam) train汽船汽船きせん steamboat切符代切符代きっぷだい ticket fare雑費雑費ざっぴ miscellaneous expenses差し引いていて subtract (from); deduct、まだ十四円十四円じゅうよんえん fourteenほどある。みんなやったってこれからは月給月給げっきゅう monthly salary貰うもらう receiveんだから構わないかまわない doesn't matter。田舎者はしみったれしみったれ stinginess; misersだから五円五円ごえん five yenもやれば驚ろいて eyes廻すまわす roll; spinに極っているきまっている is a given (that); is certain。どうするか見ろろ let's see済してすまして decided; settled; concludedかお face洗ってあらって washed、部屋へ帰ってかえって returned待ってるってる was waitingと、夕べゆうべ yesterday evening下女下女げじょ maidぜん (breakfast) tray持って来たってた broughtぼん trayを持って給仕給仕きゅうじ table serviceをしながら、やににやにや笑ってるにやにやわらってる grinning; smirking失敬な失敬しっけいな rude; discourteousやつ folksだ。かお (my) faceのなかをお祭りまつり festival; feteでも通りゃとおりゃ pass throughしまいし。これでもこの下女のつら face; mugよりよっぽど上等上等じょうとう superior; refinedだ。めし meal済ましてまして finishedからにしようと思っていたおもっていた was thinkingが、癪に障ったしゃくさわった was provoked; was irritatedから、中途で中途ちゅうとで in the middle五円札五円札ごえんさつ a five-yen note一枚一枚いちまい one (note; bill)出してして took out、あとでこれを帳場帳場ちょうば the front desk持って行けってけ take云ったらったら when I said、下女は変なへんな strange顔をしていた。それから飯を済ましてすぐ学校学校がっこう school出懸けた出懸でかけた set out forくつ shoes磨いてなかったみがいてなかった were not polished

学校は昨日昨日きのう yesterdayくるま car (rickshaw)乗りつけたりつけた rode up toから、大概大概たいがい generally; for the most part見当見当けんとう estimate (of where things are)分っているわかっている understood四つ角かど street corner二三度二三度にさんど two or three times曲がったらがったら turned (a corner)すぐもん gateまえ in front of出たた came out; arrived。門から玄関玄関げんかん entranceまでは御影石御影石みかげいし granite敷きつめてあるきつめてある be paved (with)。きのうこの敷石敷石しきいし paving stonesうえ top ofを車でがらがらと通ったとおった passed; traveledとき when ...は、無暗に無暗むやみに indiscreetly仰山な仰山ぎょうさんな loud; ostentatiousおと sound; noiseがするので少しすこし a little弱ったよわった be embarrassed途中途中とちゅう on the wayから小倉小倉こくら (black) duck cloth制服制服せいふく (school) uniform着たた wearing生徒生徒せいと studentsにたくさん逢ったった met; encounteredが、みんなこの門をはいって行く。中にはなかには among (them)おれより背が高くってせいたかくって tall強そうつよそう powerful; strong (looking)なのが居るる to be。あんな奴を教えるおしえる teachのかと思ったら何だかなんだか somehow気味が悪るく気味きみるく be nervous; feel uneasyなった。名刺名刺めいし calling card出したらしたら present; hand over校長室校長室こうちょうしつ principal's office通したとおした showed (someone to a place)校長校長こうちょう (school) principal薄髯薄髯うすひげ light beardのある、いろ color黒いくろい dark; black eyes大きなおおきな largeたぬき tanuki (raccoon dog)のようなおとこ manである。やにもったいぶっていたもったいぶっていた put on airs。まあ精出して精出せいだして exert oneself勉強して勉強べんきょうして word hard at; studyくれと云って、恭しくうやうやしく respectfully; ceremoniously大きないん (official) seal捺ったおさった affixed (seal)辞令辞令じれい letter of appointment渡したわたした handed over (to)。この辞令は東京東京とうきょう Tōkyō帰るかえる returnとき丸めてまるめて ball up; crumple upうみ sea中へなかへ into抛り込んでほうんで throw into; hurl intoしまった。校長は今にいまに soon職員職員しょくいん staff紹介して紹介しょうかいして introduceやるから、一々一々いちいち one by oneその人にこの辞令を見せるせる show; present (to)んだと云って聞かした。余計な余計よけいな excessive手数手数てすう trouble; botherだ。そんな面倒な面倒めんどうな troublesome; difficultこと act; factをするよりこの辞令を三日間三日間みっかかん three days職員室職員室しょくいんしつ staff room張り付けるける post; displayほう option; alternativeましまし preferableだ。

教員教員きょういん instructors控所控所ひかえじょ lounge揃うそろう gatherには一時間目一時間目いちじかんめ first hour喇叭喇叭らっぱ bugle鳴らなくてはならぬらなくてはならぬ would have to sound大分大分だいぶ a fair amount時間時間じかん timeがある。校長校長こうちょう principal時計時計とけい watch出してして take out見てて look at追々追々おいおい by and by; in due timeゆるりとゆるりと leisurely話すはなす tellつもりだが、まず大体大体だいたい overallこと act; fact呑み込んでんで grasp; swallowおいてもらおうと云ってって say、それから教育教育きょういく education精神精神せいしん spirit; ethosについて長いながい longお談義談義だんぎ discourse; lecture聞かしたかした told (me)。おれは無論無論むろん of courseいい加減にいい加減かげんに politely but indifferently聞いていたが、途中から途中とちゅうから from partway throughこれは飛んだんだ preposterous; outrageousところ place来たた came (to)思ったおもった thought。校長の云うようにはとても出来ない出来できない can't do。おれみたような無鉄砲無鉄砲むてっぽう rash; recklessなものをつらまえてつらまえて seize; get hold of生徒生徒せいと student模範模範もはん role modelになれの、一校一校いっこう the school師表師表しひょう paragon仰がれなくてはいかんあおがれなくてはいかん must be looked up to (as)の、学問学問がくもん learning; scholarship以外に以外いがいに in addition to個人個人こじん individual徳化徳化とっか moral influence及ぼさなくておよぼさなくて (must) make (someone) feel教育者教育者きょういくしゃ educatorになれないの、と無暗に無暗むやみに out of nowhere法外な法外ほうがいな exorbitant; unreasonable注文注文ちゅうもん requestをする。そんなえらいひと person月給月給げっきゅう monthly salary四十円四十円よんじゅうえん forty yen遥々遥々はるばる from a great distanceこんな田舎田舎いなか backwater townへくるもんか。人間人間にんげん people; human beings大概大概たいがい for the most part似たた similarもんだ。腹が立てばはらてば get angry (provisional form)喧嘩喧嘩けんか quarrel一つひとつ onceぐらいは誰でもだれでも anyoneするだろうと思ってたが、この様子様子ようす state of affairsじゃめったにめったに seldom口も聞けないくちけない cannot speak散歩散歩さんぽ a walkも出来ない。そんなむずかしいやく position; postなら雇うやとう hireまえ beforeにこれこれだと話すはなす tell; explainがいい。おれは嘘をつくうそをつく tell a lie; be dishonestのが嫌いきらい detested; repugnantだから、仕方がない仕方しかたがない there's no other choiceだまされてだまされて be deceived; be tricked来たのだとあきらめてあきらめて resolve oneself to思い切りよくおもりよく with firm resolve、ここで断わってことわって refuse; turn down帰っちまおうかえっちまおう go homeと思った。宿屋宿屋やどや inn五円五円ごえん five yenやったから財布財布さいふ wallet; purseなか insideには九円九円きゅうえん nine yenなにがししかない。九円じゃ東京東京とうきょう Tōkyōまでは帰れない。茶代茶代ちゃだい tipなんかやらなければよかった。惜しいしい regrettableこと act; factをした。しかし九円だって、どうかならない事はない。旅費旅費りょひ travel expenses足りなくってもりなくっても even if not enough嘘をつくよりましだと思って、到底到底とうてい in (no) wayあなたのおっしゃる通りおっしゃるとおり as you sayにゃ、出来ません、この辞令辞令じれい letter of appointment返しますかえします returnと云ったら、校長はたぬき tanuki (racoon dog)のような eyesをぱちつかせておれのかお face見ていたていた looked at。やがて、いま just nowのはただ希望希望きぼう wish; hopeである、あなたが希望通り出来ないのはよく知っているっている knowから心配心配しんぱい worryしなくってもいいと云いながら笑ったわらった laughed。そのくらいよく知ってるなら、始めからはじめから from the start威嚇さなければ威嚇おどさなければ not threaten; not frightenいいのに。

そう、こうする内にうちに while (doing something)喇叭喇叭らっぱ bugle鳴ったった sounded教場教場きょうじょう classroomほう direction急にきゅうに suddenlyがやがやする。もう教員教員きょういん instructors控所控所ひかえじょ lounge揃いましたろうそろいましたろう (should be) gathered云うう say; tellから、校長校長こうちょう principalに尾いていて following教員控所へはいった。広いひろい spacious細長い細長ほそながい rectangular部屋部屋へや room周囲周囲しゅうい perimeterつくえ desks並べてならべて be in a rowみんな腰をかけているこしをかけている were seated。おれがはいったのを見てて see; notice、みんな申し合せたもうあわせた agreed in advanceようにおれのかお faceを見た。見世物見世物みせもの spectacle; exhibitionじゃあるまいし。それから申し付けられたもうけられた told; instructed通りどおり as; according to一人一人一人一人ひとりびとり each personまえ front行ってって go; move辞令辞令じれい letter of appointment出してして present挨拶挨拶あいさつ greeting; salutationをした。大概大概たいがい for the most part椅子椅子いす chair離れてはなれて get up from (lit: separated from)腰をかがめるこしをかがめる bowばかりであったが、念の入ったねんった meticulousのは差し出したした held out辞令を受け取ってって received一応一応いちおう once拝見拝見はいけん viewing; inspectionをしてそれを恭しくうやうやしく politely返却した返却へんきゃくした returned。まるで宮芝居宮芝居みやしばい minstrel show真似真似まね imitationだ。十五人目十五人目じゅごにんめ fifteenth person体操体操たいそう physical education教師教師きょうし instructorへと廻ってまわって make a round来たた cameとき whenには、同じおなじ the sameこと act; fact何返も何返なんべんも a number of timesやるので少々少々しょうしょう a bit; a littleじれったくじれったく impatient; annoyedなった。向うむこう they; the other parties一度一度いちど one time済むむ be done (with); suffice。こっちは同じ所作所作しょさ performance十五返十五返じゅうごへん fifteen times繰り返してかえして repeatいる。少しすこし a littleはひとの了見了見りょうけん thoughts; viewpoint察してさっして perceive; be sensitive toみるがいい。

挨拶挨拶あいさつ greetings; introductionsをしたうちに教頭教頭きょうとう head teacherなにがしなにがし of a certain name云うう calledのが居たた there was。これは文学士文学士ぶんがくし degree holderだそうだ。文学士と云えば大学大学だいがく university卒業生卒業生そつぎょうせい graduateだからえらいひと personなんだろう。妙にみょうに strangely女のようなおんなのような effeminate; woman-like優しいやさしい gentle; delicate; softこえ voice出すす speak (voice)人だった。もっとも驚いたおどろいた surprisingのはこの暑いあつい hot (weather)のにフランネルの襯衣襯衣しゃつ shirt着ているている was wearing。いくらか薄いうすい thin; light fabricには相違なくっても相違そういなくっても even though there's no doubt that暑いには極ってるきまっている is certain; is a given。文学士だけにご苦労千万苦労千万くろうせんばん extreme effort; great pains服装服装なり appearance; dressをしたもんだ。しかもそれが赤シャツあかシャツ red shirtだから人を馬鹿馬鹿ばか fool; idiotにしている。あとから聞いたらいたら asked; inquiredこのおとこ man年が年中ねん年中ねんじゅう year round赤シャツを着るんだそうだ。妙な病気病気びょうき illness; afflictionがあったもの person; individualだ。当人当人とうにん the person in question説明説明せつめい explanation; storyでは赤は身体身体からだ body; physical conditionくすり medicineになるから、衛生衛生えいせい healthのためにわざわざわざわざ specially; expressly誂らえるあつらえる place a custom orderんだそうだが、入らざるらざる unnecessary心配心配しんぱい concernだ。そんならついでに着物着物きもの kimono (coat)はかま (formal Japanese) pantsも赤にすればいい。それから英語英語えいご English教師教師きょうし instructor古賀古賀こが Koga (name)とか云う大変大変たいへん terribly顔色顔色かおいろ complexion; facial color悪るいるい bad; unwell男が居た。大概大概たいがい in generalかお face蒼いあおい pale; sickly (lit: blue)人は瘠せてるせてる thin; lean; gauntもんだがこの男は蒼くふくれているふくれている swollenむかし long ago小学校小学校しょうがっこう elementary school行くく go (to school)時分時分じぶん time; period浅井の民さん浅井あさいたみさん Tami (first name) Asai (family name)と云う child同級生同級生どうきゅうせい classmateにあったが、この浅井のおやじおやじ fatherがやはり、こんな色つやいろつや complexion; colorだった。浅井浅井あさい Mr. Asai百姓百姓ひゃくしょう farmerだから、百姓になるとあんな顔になるかときよ Kiyo (name of Botchan's former maidservant)に聞いてみたら、そうじゃありません、あの人はうらなりうらなり fruit grown near the top end of the vine唐茄子唐茄子とうなす pumpkin; squashばかり食べるべる eatから、蒼くふくれるんですと教えておしえて explain; inform; teachくれた。それ以来それ以来いらい since that (time)蒼くふくれた人を見ればれば (when I) see必ずかならず invariablyうらなりの唐茄子を食ったった ate酬いむくい payback (for); result ofだと思うおもう think; consider。この英語の教師もうらなりばかり食ってるに違いないちがいない no doubt。もっともうらなりとは何の事なんこと what sort of thing今もっていまもって still; even now知らない。清に聞いてみたこと act; factはあるが、清は笑ってわらって laughed答えなかったこたえなかった didn't answer大方大方おおかた probably清も知らないんだろう。それからおれと同じおなじ the same数学数学すうがく mathematicsの教師に堀田堀田ほった Hotta (name)というのが居た。これは逞しいたくましい stout; brawny毬栗毬栗いがぐり close-cropped head (lit: chestnut with burrs)坊主坊主ぼうず monk; one with a shaved headで、叡山叡山えいざん Eizan (name of a temple)悪僧悪僧あくそう renegade monkと云うべき面構面構つらがまえ look; facial expressionである。ひと a person (Botchan in this case)叮寧に叮寧ていねいに politely辞令辞令じれい letter of appointment見せたらせたら showed見向き見向みむき looking toward; taking notice ofもせず、やあきみ you新任新任しんにん new man; new hireの人か、ちと遊びあそび visit; social call来給え来給きたまえ come overアハハハと云った。なに whatがアハハハだ。そんな礼儀礼儀れいぎ manners; courtesy心得ぬ心得こころえぬ not be aware ofやつ fellowところ place; homeだれ who遊びに行くあそびにく pay a visitものか。おれはこの時からこの坊主に山嵐山嵐やまあらし Yama Arashi (mountain storm; frightful mountain deity)という渾名渾名あだな nicknameをつけてやった。漢学漢学かんがく Chinese study; classics先生先生せんせい teacherはさすがに堅いかたい stiff; formalものだ。昨日昨日さくじつ yesterdayお着きき arrivalで、さぞお疲れつかれ fatigue; exhaustionで、それでもう授業授業じゅぎょう classお始めはじめ beginで、大分大分だいぶ considerableご励精励精れいせい diligenceで、――とのべつにのべつに ceaselessly弁じたべんじた spokeのは愛嬌愛嬌あいきょう personal charm; engaging mannerのあるお爺さんじいさん older gentlemanだ。画学画学ががく drawing; artの教師は全くまったく completely芸人芸人げいにん artist; performerふう style; typeだ。べらべらしたべらべらした thin; flimsy透綾透綾すきや thin silk material羽織羽織はおり haori (Japanese half-coat)を着て、扇子扇子せんす (folding) fanぱちつかせてぱちつかせて wieldingお国くに home (country); native regionはどちらでげす、え? 東京東京とうきょう Tōkyō? そりゃ嬉しいうれしい gladお仲間仲間なかま comrade出来て出来できて form; be established……わたし Iもこれで江戸っ子江戸えど native of Tōkyō (Edo = pre-Meiji name for Tōkyō)ですと云った。こんなのが江戸っ子なら江戸には生れたくないうまれたくない do not want to have been born (there)もんだと心中に心中しんちゅうに at heart; innermost (thoughts)考えたかんがえた thought; considered。そのほか一人一人一人一人ひとりびとり each person; one by oneについてこんな事を書けばけば (if I) writeいくらでもある。しかし際限がない際限さいげんがない would go on foreverからやめる。

挨拶挨拶あいさつ greetings; introductions一通り一通ひととおり for the time being済んだらんだら (when) finished校長校長こうちょう principal今日今日きょう todayはもう引き取ってって withdraw; leaveもいい、もっとも授業上授業上じゅぎょうじょう concerning classesこと act; fact数学数学すうがく mathematics主任主任しゅにん head (teacher)打ち合せをしてあわせをして arrange; consultおいて、明後日明後日あさって day after tomorrowから課業課業かぎょう lessons; teaching始めてはじめて beginくれと云ったった said。数学の主任はだれ whoかと聞いていて askedみたら例のれいの the aforementioned; none other than山嵐山嵐やまあらし Yama Arashi (nickname for Hotta, the head mathematics teacher)であった。忌々しい忌々いまいましい hateful; accursed、こいつのした beneath; under働くはたらく workのかおやおやと失望した失望しつぼうした despaired。山嵐は「おいきみ youどこに宿ってる宿とまってる stayingか、山城屋山城屋やましろや Yamashiroya (name of inn)か、うん、今にいまに soon行ってって go (come to you)相談する相談そうだんする talk (with someone about something)」と云い残してのこして say in parting白墨白墨はくぼく chalk持ってって take教場教場きょうじょう classroom出て行ったった left (for); set out (for)。主任の癖にくせに for ...; being ...向うむこう he; him (the other party)から来てて come相談するなんて不見識な不見識ふけんしきな lacking dignityおとこ manだ。しかし呼び付けるける summon (a person)よりは感心感心かんしん admirableだ。

それから学校学校がっこう schoolもん gate出てて leave (out of)、すぐ宿宿やど inn帰ろうかえろう return思ったおもった thought; consideredが、帰ったって仕方がない仕方しかたがない can't do anythingから、少しすこし a littleまち town散歩散歩さんぽ walkしてやろうと思って、無暗に無暗むやみに at random足の向く方あしほう the direction my feet pointedあるき散らしたあるきらした wandered; strolled県庁県庁けんちょう prefectural (government) office見たた saw古いふるい old前世紀前世紀ぜんせいき former century建築建築けんちく architectureである。兵営兵営へいえい barracksも見た。麻布麻布あざぶ Azabu聯隊聯隊れんたい regiment (=連隊)より立派立派りっぱ grand; splendidでない。大通り大通おおどおり main streetも見た。神楽坂神楽坂がくらざか Kagurazaka半分半分はんぶん half狭くしたせまくした narrowed; made narrowぐらいな道幅道幅みちはば road width町並町並まちなみ shops and houses (lining a street)はあれより落ちるちる be inferior to二十五万二十五万にじゅうごまん 250,000 (25 x 10,000)ごく(こく) koku (measure of rice used to assess wealth; approximately one person-year of rice)城下城下じょうか castle townだってたか amount知れたれた triflingものだ。こんなところ place住んでんで liveご城下だなどと威張ってる威張いばっている take pride in人間人間にんげん people可哀想可哀想かわいそう pitiful; patheticなものだと考えながらかんがえながら while thinkingくると、いつしか山城屋のまえ front ofに出た。広いひろい expansiveようでも狭いせまい limitedものだ。これで大抵大抵たいてい mostly; generally見尽した見尽みつくした seen everythingのだろう。帰ってめし mealでも食おうおう eat門口門口かどぐち entrance; gatewayをはいった。帳場帳場ちょうば the front desk坐っていたすわっていた was seated (at)かみさんかみさん hostessが、おれのかお faceを見ると急にきゅうに quickly; suddenly飛び出してきてしてきて hurried toward (me)お帰り……と板の間いた wooden floor頭をつけたあたまをつけた bowed (lit: attached her head to the floor)くつ shoes脱いでいで take off上がるがる enter (step up into)と、お座敷座敷ざしき roomがあきましたからと下女下女げじょ maid二階二階にかい second floor案内案内あんない guidance; escortをした。十五畳十五畳じゅうごじょう 15 mats (about 25 sq meters; about 250 sq ft)おもて front side二階で大きなおおきな large床の間とこ alcoveがついている。おれは生れてからうまれてから in one's life (lit: since being born)まだこんな立派な座敷へはいったこと act; factはない。この afterいつはいれるか分らないわからない don't knowから、洋服洋服ようふく Western-style clothesを脱いで浴衣浴衣ゆかた summer (cotton) robe一枚一枚いちまい one layerになって座敷の真中真中まんなか right in the middle大の字にだいに like the character 大寝てて lie downみた。いい心持ち心持こころもち feelingである。

昼飯昼飯ひるめし noon meal; lunch食ってって eatから早速早速さっそく right awayきよ Kiyo (name of Botchan's former maidservant)手紙手紙てがみ letterをかいてやった。おれは文章文章ぶんしょう writing; compositionがまずい上にうえに in addition to (Chinese) characters知らないらない don't knowから手紙を書くく writeのが大嫌い大嫌だいきらい hate; can't standだ。またやるところ placeもない。しかし清は心配心配しんぱい worryしているだろう。難船して難船なんせん shipwreck死にに die; perishやしないかなどと思っちゃおもっちゃ think; imagine困るこまる don't want (to let something happen)から、奮発して奮発ふんぱつして exert oneself長いながい long; lengthyのを書いてやった。その文句文句もんく words; contentはこうである。

「きのう着いたいた arrived。つまらん所だ。十五畳十五畳じゅうごじょう 15 mats (about 25 sq meters; about 250 sq ft)座敷座敷ざしき room寝ているて staying; sleeping宿屋宿屋やどや inn茶代茶代ちゃだい tip五円五円ごえん five yenやった。かみさんかみさん hostessあたま head板の間いた wooden floorすりつけたすりつけた rub against夕べゆうべ last night寝られなかったられなかった couldn't sleep。清が笹飴笹飴ささあめ sweet rice jelly wrapped in a bamboo leaf笹ごとささごと bamboo leaf and all食うう eatゆめ dream見たた saw来年来年らいねん next yearなつ summer帰るかえる return (home)今日今日きょう today学校学校がっこう school行ってって went toみんなにあだなあだな nicknameをつけてやった。校長校長こうちょう principalたぬき Tanuki (raccoon dog)教頭教頭きょうとう head teacher赤シャツあかシャツ Red Shirt英語英語えいご English教師教師きょうし instructorうらなりうらなり Uranari (fruit grown near the top end of the vine)数学数学すうがく mathematics山嵐山嵐やまあらし Yama Arashi (mountain storm; frightful mountain deity)画学画学ががく drawing; artのだいこのだいこ Nodaiko (amateur clown; third-rate clown)今にいまに soonいろいろなこと act; factを書いてやる。さようなら」

手紙手紙てがみ letterをかいてしまったら、いい心持ち心持こころもち feelingになって眠気眠気ねむけ drowsinessがさしたから、最前最前さいぜん a short time earlierのように座敷座敷ざしき room真中真中まんなか right in the middleへのびのびと大の字にだいに like the character 大寝たた slept今度今度こんど this timeゆめ dream何もなにも (not) anything見ないない not seeでぐっすり寝た。この部屋部屋へや roomかいと大きなおおきな large; loudこえ voiceがするので eyes覚めたらめたら awakened山嵐山嵐やまあらし Yama Arashi (nickname for Hotta, the head mathematics teacher)はいって来たはいってた entered。最前は失敬失敬しっけい rudenessきみ you受持ち受持うけもち one's responsibilitiesは……とひと a person起き上がるがる wake upや否やいなや as soon as談判談判だんぱん conference; conversation開かれたひらかれた beganので大いにおおいに considerably狼狽した狼狽ろうばいした panicked; felt confused。受持ちを聞いていて listen toみると別段別段べつだん particularlyむずかしいこと act; factもなさそうだから承知した承知しょうちした consented to; agreed to。このくらいの事なら、明後日明後日あさって day after tomorrowおろか foolishness明日明日あした tomorrowから始めろはじめろ begin (imperative form)云ったってったって (even if he) said驚ろかないおどろかない (I) would not be surprised授業上の授業上じゅぎょうじょうの concerning teaching打ち合せあわせ discussion済んだらんだら (when it was) ended、君はいつまでこんな宿屋宿屋やどや inn居るる be; stayつもりでもあるまい、ぼく Iがいい下宿下宿げしゅく lodgings周旋して周旋しゅうせんして arrange; intercede (on behalf of someone)やるから移りたまえうつりたまえ please relocateほか otherのものでは承知しないが僕が話せばはなせば (provided I) talk (to them)すぐ出来る出来できる can be done早いはやい soonほう alternativeがいいから、今日今日きょう today見て、あす移って、あさってから学校学校がっこう school行けばけば go (provisional form)極りがいいきまりがいい will be settled nicely一人で一人ひとりで by oneself; on one's own呑み込んでんで figured outいる。なるほど十五畳敷十五畳敷じゅうごじょうじき 15-mat roomにいつまで居るわけ reason; causeにも行くまい。月給月給げっきゅう salaryをみんな宿料宿料しゅくりょう room charges払ってはらって pay; spend追っつかないっつかない not keep upかもしれぬ。五円五円ごえん five yen茶代茶代ちゃだい tip奮発して奮発ふんぱつして splurge (on)すぐ移るのはちと残念残念ざんねん a pity; too badだが、どうせ移る者ならものなら if one has to ...、早く引き越してして move; relocate落ち付くく settle in方が便利便利べんり expediencyだから、そこのところはよろしく山嵐に頼むたのむ request; look to (a person for help)事にした。すると山嵐はともかくもいっしょに来てみろと云うから、行った。町はずれまちはずれ the edge of townおか hill中腹中腹ちゅうふく halfway (up a hill)にあるいえ house至極至極しごく extremely閑静閑静かんせい quiet; tranquilだ。主人主人しゅじん the husband骨董骨董こっとう curios; antiques売買する売買ばいばいする trade; buy and sell; deal inいか銀いかぎん Ikagin (name)と云うおとこ manで、女房女房にょうぼう the wife亭主亭主ていしゅ husbandよりも四つよっつ four (years)ばかり年嵩年嵩としかさ elderおんな womanだ。中学校中学校ちゅうがっこう middle schoolに居たとき time; periodウィッチと云う言葉言葉ことば word習ったならった learned事があるがこの女房はまさにウィッチに似ているている looked like; resembled。ウィッチだって人の女房だから構わないかまわない doesn't matter (to me)。とうとう明日明日あした tomorrow; the next dayから引き移る事にした。帰りかえり returnに山嵐は通町通町とおりちょう Tōrichō (place name - old)氷水氷水こおりみず ice water一杯一杯いっぱい one cup奢ったおごった treated (someone to something)。学校で逢ったった met時はやに横風な横風おうふうな arrogant失敬なやつ fellowだと思ったおもった thoughtが、こんなにいろいろ世話世話せわ help; assistanceをしてくれるところを見ると、わるい男でもなさそうだ。ただおれと同じおのじ sameようにせっかちせっかち hasty; quick-tempered肝癪持肝癪持かんしゃくもち hot-headedらしい。あとで聞いたらこの男が一番一番いちばん most生徒生徒せいと students人望人望じんぼう popularity; favorable reputationがあるのだそうだ。